D.M.ディヴァイン/中村有希(訳)『ウォリス家の殺人』創元推理文庫

ネタバレ一応注意。
「本ミス」海外ランキングの一位作品らしいですが、まあ正直たいした作品とは思われませんでした。
読みどころはなんでしょう…フーダニットとしての洗練性、といった部分なのでしょうか。でも、いかにも一番怪しい人物がそのまま犯人なのですよ、これ。
あるいは黄金期本格的な「常道」でしょうか。イギリスの田舎町、旧家(でもないか)の血縁トラブルとか、主人公が家主の伝記を書くとか、そういうの。確かに読んでて「馴染む」ものは感じるし、喜ばれるのも分かる気もするけど、こういうのを持ち上げてましてランキングの一位にしてしまうのって、なんか閉塞的ですよね。海外本格の翻訳のシーンなんて、もともとそういうものなのかもしれませんが。
評価はC。

ウォリス家の殺人 (創元推理文庫)

ウォリス家の殺人 (創元推理文庫)