石原慎太郎『聖餐』幻冬舎文庫

ネタバレ特になし。
いまさらなんの言い訳でもありませんが、なぜ持ってるのかは謎です。
観念的エログロが、「なんかちょっと文章の物足りない*1村上龍」みたいだった表題作こそ「うわーやっちゃったなー」って感じだったけど、その後に続く「死者からのメッセージ」をテーマとする「声」連作はどれも「いい話」が並んでて、普通に楽しめた。こんなん全然イメージじゃないけど、うかがわれるヨットレースへの傾倒はイメージ通り。
で、そんなんに油断してたらその後の「沢より還る」、異常に客観的かつ執拗な怪我の描写に生理的にダメージをいただくことになったのですが。やっぱりこういう身体性に作家としての主眼があるのだろう…まあ、これ以上はもういいかな、と思うけど、有名な男性器で障子を破るシーンだけは読んでみたいなw
評価はC+。

聖餐 (幻冬舎文庫)

聖餐 (幻冬舎文庫)

*1:「〜でもあるまいに」みたいな語尾が頻出しすぎで笑った。