ネタバレ注意。
ある海辺の町(と、一部はアイルランド・ダブリン)を舞台にした連作短編集。
いずれもセンチメンタルで、せつない系のトーンでドラマを作ってるんだけど、連作としての関連性も含め、ギリギリの線で阿漕なお涙頂戴から救われてる感じがする。実は結構引き込まれて、あっという間に読んでしまったのでした。収録作を交互に上下をさかさまに印刷する、という造本の狙いについてはなんとも言えないところだが…。
特には「消えない硝子の星」がよかったな。自然現象をうまく使って、鮮烈なイメージと象徴性の表現に成功している。
評価はB。