貸していただきました。いつもマンガ分補給ありがとうございます。
「マンガ大賞」なる、本屋大賞のマンガ版のような賞をとってます。話題の作品。
で、めちゃくちゃ面白かったです。面白いんだろうなーとは思ってたけど、正直ここまでとは思いませんでした。ナメてました、すいません。
競技かるたマンガです。主人公(女子)と二人の友人(男子)を中心に、現在は高校かるた部編が継続中。
とにかくアツい場面がべらぼうに燃える。単純にストーリー作りとコピーライティングが巧いけど、「圧倒的な画力」という絵ではないながら、計算された構図と、緩急で見せる絵が絡んで、鮮烈なシーン枚挙に暇なし。特に4巻の各話ラストは毎回震える。かなちゃんにより補給される「古典」分など、細かい目配りにも好印象です。
千早が可愛すぎて逆にヒいたし、太一もちょっとかっこいい上にいいヤツすぎるなあとも思ったが、既にして魅力的なキャラクタも、これからどんどん面白くなるだろう。見開きにて登場のライバルキャラ、まだその凄味が窺い知れぬ「クイーン」にも期待大。
これは別に穿って言うわけではないんだけど、読んでる間の印象で『G戦場ヘヴンズドア』を思い出した。特に新の、血の宿縁をめぐって。≪それを望んだというより、そう生きるしかなかった≫、あのマンガが突き付けたのはその人間の「業」だったけど、この作品にも通底するものが感じられた。あれ以来、あんなにも俺を震えさせた表現作品は形式を問わず存在しないのだけど、もしかしたらこのマンガにはそれが期待できるかもしれないと思ったり。太一の心境なんて、≪一緒に汚れてやる≫以外の何物でもなさそうだし。
かつて漫画家生命の危機に立った作家だけれど、この復活劇はちょっと類例が思い起こせないぐらいに鮮烈だ。よかったね、マンガの神様には、後ろ髪もあったんだ。
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