『幻影師アイゼンハイム』

久々にDVD観ました。ネタバレ注意。
年次ランキング本でミステリ映画特集があった時に、辻村深月がお薦めに挙げていたのだけど。
舞台は19世紀ウィーン。主人公のイリュージョニスト・アイゼンハイムが、身分の違いから若い頃にその仲を引き裂かれた公爵令嬢・ソフィを、婚約者である横暴な皇太子(!)から奪還するお話です。
で、辻村深月が推薦してるぐらいだから、さぞかし鮮烈などんでん返しがあるものかと思いきや、ストーリーライン上当然想定されるレベルのそれで多少ガッカリ。非常に溜飲の下がる展開ではありますが、カタルシスに乏しい印象はありました。これでは主人公がイリュージョニストである意味がないのでは…なんて。
でも、いろいろ細かく見れば、「剣」のイリュージョンに仕掛けられた陥穽は、「再会」の初期段階からアイゼンハイムが「狙って」いたことを感じさせてニヤリとさせるし、「薬」をめぐる展開は『ロミオとジュリエット』へのオマージュとして機能してもいる。当該シーンに関しては、老人の存在で仕掛けが見抜けてしまったのと、ウール警部の役割にもう一展開あるとよかったなあと残念な思いもしましたが。単に騙されるだけじゃなくてさ。
個人的にエドワード・ノートンは好きな役者なのですが、ソフィ役の女優さんがいまいちで、その辺も盛り上がりに欠けたかもw ウール警部役の髭男爵は、仕掛けに気付くあたりでところどころいい表情見せてくれて素敵でした。

幻影師 アイゼンハイム [DVD]

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