栗本薫『真夜中の切り裂きジャック』ハルキ文庫

ネタバレ一応注意。
短編集だが、どの話もプロットが弱すぎる。プロットで読ませる作風ではないと判断して読むとしても、後半の芸道もの、ラストのクトゥルーめいたホラーはまあ雰囲気で読めないこともないが、前半の味わいに乏しいモダンホラー、そして何より表題作はつらい。
暗黒系のゲイカップルがSMやる話なら、ちゃんとその有様を微に入り細をうがって描けよ、と思った。なんか適当な叙述(描写に非ず)で逃げられてもなあ、と。
評価はC。