栗本薫『天国への階段』ハルキ文庫

ネタバレ一応注意。
短編集。
「イミテーション・ゴールド」などなど、歌謡曲、あるいはスタンダード・ナンバの世界観に材を採った連作です。
登場人物やストーリィに関連性はないけど、共通する主題としては都市生活者の孤独。まあよくある感じだけど、それに見合って「崩れた」感じがあってその辺は悪くなかった。
ただ、客観的にプロットはまったくたいしたものではないし、作品によってテンションの差こそあれ、基調となってる言文一致、独白体の饒舌がかなりの部分煩くはあった。
ベストを挙げるなら「おいしい水」かな。ラストの不条理でシニカルなユーモア(だよね?)、なかなかに心地いい。
評価はC。

天国への階段 (ハルキ文庫)

天国への階段 (ハルキ文庫)