今村夏子『むらさきのスカートの女』朝日新聞出版

ネタバレ注意。

近所に住む「むらさきのスカートの女」の行状を追跡する、黄色いカーディガンの女。芥川賞

最初は奇妙な味、やがて下流社会描く社会派で、地域社会のヒューマニティをほの見せつつ、ブラックな情痴スラップスティックを経てスリラーになり、不条理ホラーなエンディングへ。トボけたユーモアの軽みは一貫していて、愉しいままに読めるエンタメ純文学。芥川賞にしては軽すぎるような気もするが、まあいいよね。

評価はB-。