榊林銘『あと十五秒で死ぬ』創元推理文庫

ネタバレ注意。

それぞれに「十五秒」をキィとする四短編を収めた作品集。

タイムリープものTVドラマの逆転構図を描く「このあと衝撃の結末が」は、かなりひねくれたことをやりながら、TVドラマというフレームを最大限に活かして、ロジックを鮮やかに魅せていて感心しました。一方で、互いに首を入れ替えられる(ただし首が外れて十五秒経つと死ぬ)人々が住む島での殺人を描く「首が取れても死なない僕らの首無殺人事件」は、設定・導入が面白いのに、推理展開がこんがらがって愉しく読めなかったな。

同窓だし応援したい作家だと思うけど、「不眠症」に顕著なように、ちょっと鼻につく小器用さ、小賢しさが感じられて、創作のルーツが東方二次創作と知ってなんだか腑に落ちた。

評価はC+。