『ドライブ・マイ・カー』

@サロンシネマ

妻を喪った舞台演出家が、招かれた国際演劇祭での様々な出会いを経て、喪失に向き合う姿を描くヒューマン・ドラマ。

原作未読だしあまり先入観はなかったつもりだけど、やっぱ村上春樹だなあという感じでした。性の取り入れ方、セリフ回しの基調など…常に春樹世界のイメージが揺曳する中だったので、それを超える映画ならではの表現にハードルが上がってしまったきらいはあったと思います。その意味では三浦透子の清新な存在感…なぜか何か言葉を発するたびに涙腺が刺激される…と、車中のシーンでの岡田将生のミスティックな表現が素晴らしかった。西島秀俊は正直もうちょっと頑張ってほしかったんだけど、あのなんか身の置き所のない感じ、春樹主人公にはハマってたかな。

ちょっと期待が高すぎた感はあったけど、緊密に充実した作品で、三時間退屈せずに観ました…現住所がまさにロケーションだったので興味もあって。あのゴミ処理場、近所だし散歩しに行こ。