ACIDMAN 『ALMA』

8th。
「真っ白な夜に」というインストを挟んで、大きく前半と後半に分けられる構成だと思う。前半は表題のバラードに向けて、大きなピークを描いている。正直、それらは今までのACIDMANサウンドスケープから発展していない。「またこんなんかよ」という思いが拭えない。
しかし後半は素晴らしいと思う。かと言って別に、後半がマンネリズムから脱しているとは思えないのだが。『LIFE』にあったようなブレイクスルーはない。「Final Dance Scene」のダンスビートが若干新しさを感じさせるぐらいか。でも「レガートの森」の流麗さとその世界観の完結性、「Final Dance Scene」のビートとたたみかけるような展開がもたらす身体的な快感、「2145年」の寓話的なロマンティシズム、「ワンダーランド」はこのアルバムのベストだが、そのスケール感と問答無用の高揚感、どれもがハイライトたり得る。大木がこのアルバムで表現したかったものはすべて後半の四曲にあるのではないか、なんてことを思わせるほど。フルアルバム通すには、尺が足りなかったか。
こうして職人的な立場になってくとしたら、若干物足りないものがあるけど、でも続けて聴いてくんだろうな。

ALMA

ALMA