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盾の会活動に傾斜し、やがて市谷駐屯地占拠、割腹へとつながっていく、作家と周辺の若者たちの最後の日々を描く、若松孝二のフィルム。
参考文献の筆頭に挙げられている保阪正康の本を読んでいたので、既知の情報がなぞられていく感じだった。若松孝二は題材はトガってるけど、題材への向き合い方や表現の仕方はむしろノーブルでクセがないよね。なので安心して観ていられたけど、若干刺激に乏しいところはあったかな…ひやかしみたいでアレだけども。
井浦新は熱演だけど、やっぱり端整さが勝っていて、三島のあの独特のマッチョなナルシシズムが出ていない。でも演説のシーンの哀しさは、それがいい方向に出ていたかもしれなくて、複雑なところではある。森田必勝役満島真之介も、狂気を発散していいシーンもあった…特にはやはり最終的に三島の背中を押したところの解釈かな…けど、全体的にトーンが統一しきれてない印象があって…車中の唐獅子牡丹とか…、もったいないな!と思いました。
しかし「ARATA」がこの映画のエンドロールに相応しくないと、漢字表記の本名に芸名変えたのに、エンドテーマで英語曲流れて呆然とした、ってエピソードは最高だと思いますw