栗原康『死してなお踊れ 一遍上人伝』河出文庫

ネタバレ特になし。

時宗開祖・一遍上人の評伝。

武士の家に生まれながら出家し、還俗したと思ったら人を殺して再び仏の道へ、遊行に出るなり踊り狂う、というアナーキィな人生(仏性?)を、ダンサブルな栗原節が抜群の相性で描き出しています。実家の菩提寺*1の開祖がこんなアナーキストだったとは、誇らしく思います。

しかしまあ、こういう生き方をかっこいいとは思いつつ、どんだけのエネルギィが必要なのかと思うと、憧憬には至らない私。一番笑ったのは、栗原氏が学会員の彼女にフラれるところでした。

評価はB。

*1:あそこの住職はアナキズム以前に権威主義的で好かんのだが…。