三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』講談社文庫

ネタバレ注意。

瀬戸内の孤島で行われる宗教的秘儀における巫女の消失事件を描く、刀城言耶シリーズの第二長編。

とても大掛かりに奇矯な舞台装置を打ち立てて、それをまた言葉を尽くして大仰におどろおどろしく説明してくれるんだけど、まあ見事に空転していて、何も伝わってこない。描写のテンションが上がれば上がるほど読んでるこっちは醒めていくし、読了後、結局こんだけやった舞台設定にどれだけの意味があったのか、空虚感と綯交ぜの疑問しか残らなかった。

あーこれは絶対Dだな、と思いながら読んでいたけど、剃毛や脱臼の意味が、中核のアイデアによって反転したところは面白かったので回避。しかしこのシリーズ相性悪いわー、言ったら「東城雅哉こと刀城言耶記す」の段階で、しゃらくせえ、つって毎回思うしね。やっぱ文章もマズすぎると思うけどな…。

評価はC-。