ネタバレ特になし。
福島、立入禁止区域でボランティアのペットレスキューを行う人々の姿を描くルポルタージュ。
いたましく、せつないながら、人と動物が無私の愛情をかよわせる姿に胸が熱くなる(猫は微妙だけど)本です。他の動物愛護運動家の本見ててもそうだけど、彼女らを衝き動かす、本能としか呼びようのないエモーションはやっぱ単純にすげえと思う。
作中、《誰も悪くないのに》って言ってる人がいるけど、こんなに絶対悪の所在がはっきりした事例もそうそうないと思うわ。クソみたいな原子力政策と、これだけのクライシスの後でもそれを等閑視し続けた民衆…日本とかいう衰退途上国家の、政官民すべてが悪だろ。
評価はB。
- 作者:森 絵都
- 発売日: 2015/06/10
- メディア: 文庫