皆川博子『写楽』角川文庫

ネタバレ注意。

歌舞伎役者崩れの青年「とんぼ」が「写楽」になる姿を中心に、江戸の芸と色の爛熟を描く時代長編。

妖しくも洒脱な世界観はさすがのもので、あっという間に読みました。映画の脚本がベースということで、いつもの妖美な奇想はそれでも抑えめだけど、その分、十返舎一九北斎歌麿、蔦重などの歴史人物に対する解釈など考証の面白みがある。いずれも一筋縄でいかない造形です。

評価はB-。

写楽 (角川文庫)

写楽 (角川文庫)