東野圭吾『怪笑小説』集英社文庫

ネタバレ一応注意。

ブラック・ユーモア短編集。

…とは言ってみたものの、ユーモアセンスはまったく感じられず、単に品性の卑しい小人物たちが空騒ぎしてるだけのこういう代物を、ブラック・ユーモアとは言わないよね。新堂冬樹とか戸梶圭太あたりと何も変わらないけど、スベってる自覚がない分だけタチが悪い…各編にあとがきまでつけちゃってさ。

なんつーか、壊れた人とか、小市民の哀しみとか、そういうものに対する憫笑、冷笑の態度しか感じられない。人の営みに対する共感や同情、有り体に言えば愛があってはじめて、それを描いておかしみに転化するものだと思うのだけれど。

無人大相撲中継」のアイデアだけちょっと面白かったけど、コレもオチの思考停止が酷すぎる。あと別にどうでもいいけど、解説もスベってるよな。

評価はC-。

怪笑小説 (集英社文庫)

怪笑小説 (集英社文庫)