多島斗志之『密約幻書』講談社文庫

ネタバレ注意。

明石元二郎が遺した謎の文書をめぐって繰り広げられる、国際謀略小説。

この作家らしい、洗練されたリーダビリティと知的興奮が味わえる、すぐれて端整なコンゲーム小説です。

日露戦争のカットバックとか、自在に謎を演出してくれるので、その分最後に提示される「画」はハードル上がってしまい、ちょっと単純かなーと思わないではなかったけれど。それでも充分愉しく、あっという間に読んでしまいました。

評価はB。

密約幻書 (講談社文庫)

密約幻書 (講談社文庫)