P.ラヴゼイ/真野明裕(訳)『マダム・タッソーがお待ちかね』ハヤカワミステリ文庫

ネタバレ注意。
ヴィクトリア朝イギリス、恐喝者を毒殺した女性死刑囚をめぐって行われる再捜査を描く長編。
解説者が言うほどには、時代性の妙味は出ていないような…処刑人とか出てきて、タイムリミット・サスペンスとしての必然性にはなっているけど。しかし無駄のないプロットと叙述の洗練性は評価できるし、一方で三人の女性の関係性が暴かれてみるとグロテスクにトガっていたりもして、客観的に佳品と言える作品ではある。
原題"waxwork"、よく訳したな。
評価はC+。

マダム・タッソーがお待ちかね (ハヤカワ・ミステリ文庫)

マダム・タッソーがお待ちかね (ハヤカワ・ミステリ文庫)