ネタバレ一応注意。
ある地方都市を舞台に、死者が遺した思いが具現化した「月導」と、それを読み取る能力者「月読」というファンタジックな味付けが施された青春ミステリ。
どこかもの寂しいような、落ち着いた筆致で雰囲気づくりがされているけど、ところどころチープな描写が顔を出して落ち着かない、ちょっと残念な作品。
ヒロインの血縁関係をめぐるプロットはあまりに古臭いし、「月読」の方のプロットは機能性が疑わしい…なんのサプライズにもなっていない印象。
「月導」「月読」のアイデア、イメージは面白い物語を生み出せそうなだけに、もったいないと思いました。
評価はC。
- 作者: 太田忠司
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 文庫
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