MONOEYES 『Dim The Lights』

2ndフル。
衒いのない、直球のメロディック/エモーショナル・パンク。勇壮で人懐っこい、それでいて一抹の憂愁を含んだメロディ、ソリッドなバンドアンサンブル、キャラクタも含めて訴求力抜群のヴォーカル。ジャンルのスタンダードにしてベスト・バンドたる貫禄を感じさせる快作です。
楽曲のすべてがそうした黄金律で鳴らされているような「Two Little Fishes」は特に抜群のお気に入りで、なんとかコレで瀬沼のチャント作ってやりたいと思いました。

僕らは二匹の小さな魚みたいにシンクロしていたい
この夕日がまるでずっと続くみたいに感じていたい
君が側にいてくれる間に年を重ねたいんだ
教えて
部屋に風が吹き込んできたら
(「Two Little Fishes」訳詞)

唯一の日本語詞「ボストーク」が前作の「グラニート」「明日公園で」あたりに比べて平板なのを除けば、全曲アンセムと呼び得る充実のソングライティング、メロディック・パンクのいい意味でのバカっぽさに自己批評的な「Borders & Walls」や、「Carry Your Torch」のコーラスワークなんていいアクセントもあって飽きさせません。
さらに詞。今までに増してシンプルでメッセージ性が強く、訳詞読みながら聴いてると涙混じりの昂揚感があります。

もし君が疲れたら
呼び出して
付き合いきれないものに疲れたら
あの頃に戻って話をしよう
そしたらこの世界のどうしようもない出来事が
音にかき消されて
勇気が湧いてくる
(「Parking Lot」訳詞)

細美武士というロック・ヒーローが、確かに同時代を歩いてくれているという信頼感が、このアツい昂揚感の正体であるのでしょう。

Dim The Lights

Dim The Lights