篠田真由美『琥珀の城の殺人』講談社文庫

ネタバレ一応注意。
18世紀ヨーロッパ、山中の古城に連続する殺人事件。
トリックやロジックに関して格別のものはないけど、舞台立てに相応しい重厚さは出せているし、この作家らしい耽美性とオカルティズムはデビュー作にしてしっかり作品になじんでいる。現代ものでは鼻につく美青年/美少年趣味の方も、この世界観の下ではいいケレンになっているかな。
探偵や犯人はもちろん、登場人物それぞれに存在感があって、ゴシック・ロマン的にも愉しめました。
評価はB−。