荒木飛呂彦『岸辺露伴は動かない』集英社ジャンプコミックス

岸辺露伴を主人公(あるいは狂言回し)に据えたスピンオフ短編集。
「懺悔室」はまだジャンプの現役読者だった頃にページ破ってとってた。超懐かしいけど、今読んでもポップコーンの投げ食いって稚戯をここまでダイナミックに描けるアイデアと筆力に感嘆。「動かない」のこの話だけじゃねーか、ってツッコミはなしか。
「六壁坂」はアイデアと演出両面で非常に洗練されたホラー。オチもステキで面白怖い。
「富豪村」もザ・4部の香気高く、舞台立て含めて非常に楽しい*1し、「密漁海岸」は言わずもがなフェイバリットのトニオが大活躍、《だから気に入った》といい、ハートウォーミングなラストといい絶品です。しかし鮑のリゾットなんて手間の掛かるもん作って、効用が水と一緒ってのはコストパフォーマンス的にいかがなものかw そして何度も言うけど全然「動かな」くないぞ露伴
この充実の作品集、唯一の不満は「岸辺露伴グッチへ行く」だけは是が非でもオールカラーで収録して欲しかったってことだな…300円ぐらいなら高くても迷わず買ったのに。

*1:読んで以降、マグカップの持ち方が変わりました。