andymori 『宇宙の果てはこの目の前に』

5th。
にしてラスト・アルバム。
今までで一番BPMの遅い作品ではないかと。バンドサウンドカタルシスであったり、あるいはパンキッシュな疾走感であったり、1stや2ndの基調であったものから離れて、よりフォーク/ブルースの唄心が聞こえてきます。小山田がバンドを解散してどういう方向に進もうとしてるのか(してたのか)は分からないけど、この「フォークシンガー」色の濃いアルバム聴いてると解散はまあ必然だったのかなあと、そういう風に思えてくるのも事実で。
メロディの美しさとか、詞の感性の鋭敏さとか、そしてそれらとヴォーカルの絡みとか、andymoriらしい魅力もまた味わえる作品でもありますが、逆にそれゆえセンチメントは抑えようもなく。「スパイラル」「空は藍色」とかは純粋に浸ることができるけど、「夢見るバンドワゴン」とか、ちょっと聴くのが辛いようでもあって。

僕らはまだまだブルースを歌いながら
遠い街まで高速を飛ばしていく
黒ずんだ狼の怪しい瞳を
まだあどけない笑顔に乗せて
(「夢見るバンドワゴン」)

ラストツアーのチケットの払い戻しも済ませたところ。死ぬほど踊って暴れて、センチメント吹き飛ばせると思ってたけどなあ。
残念です。

宇宙の果てはこの目の前に

宇宙の果てはこの目の前に