『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』

DVD。
ギャング映画の名作で、デ・ニーロが出てるってぐらいのぼんやりとした前知識で観たら、ド大作かつド名作だったのでびっくりしました。
禁酒法下のアメリカ、ユダヤ移民の少年たちがギャングとして成り上がり、やがて訪れる破局とその後を回想交えた交差する時系列で描く作品。完全版*1、229分。デ・ニーロはじめとする俳優陣の充実(幼少期の子役含む)、重厚で美麗な画(若干レトロなカメラワークもいい雰囲気)、哀愁のロマンティシズム漂う音楽、ギャング映画としてのヴォイオレントなインパクト(銃撃戦を凌駕するゴミ収集車)、複雑ながらも感動と想像の余白を産む脚本と演出。229分ダレることのない、さすがの総合芸術です。
僕はこの映画、結構少年映画として楽しんだ部分が大きかったです。その意味でデボラの劣化*2は切なかった…。幼年期描写が卓越しているからこその主題、どんでん返しとその後の寂寞であるとも言えますしね。
35年の経年に違和感のないデ・ニーロはさすがなのですが、特筆すべきはやはりラストのワンカット。ああいう余白をラストにもってくるあたりが、巨匠と名優による表現の凄味でありましょう。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版 [DVD]

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版 [DVD]

*1:劇場公開時は短縮され、さらには時系列順に編集され直したらしいよ。冒涜だ…。

*2:幼年期ジェニファー・コネリー→成長してエリザベス・マクガヴァン