ネタバレ注意。
北川サイエンス・ミステリ、この本のネタは早期幼児教育です。
すごく面白かったです。中心となる「GCS」なる組織にはどこか新興宗教的な風情があるし、やがて明らかになるその主宰の抱えた「狂気」とか、作品漂うミステリアスな雰囲気、謎や秘密や狂気のカタチが、なんとも好みのものでした。
特に圧巻なのはやはり終盤のたたみかけるような展開。意外な探偵に意外な犯人というミステリ的な趣向を凝らしつつ、ラストに用意されたとてもとてもグロテスクなプロット。そこで重みを増す「命の価値」という主題。計算され尽くして完成度の高いエンタテインメント・ミステリです。
既読の北川作品の内で、最も優れたものであることは疑いえないでしょう。
評価はB+。
- 作者: 北川歩実
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2001/11/20
- メディア: 文庫
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (51件) を見る