平野啓一郎『高瀬川』講談社文庫

ネタバレ注意。
短編集。
三島由紀夫の再来と語られる作家なので、このタイトル、今度は「鴎外のひそみにならって」みたいなことかな、と思うじゃないですか。
…全然違うw
表題作、京都在住の気鋭の若手小説家が、東京から来た女性編集者と仲良くなってホテルでセックスして、二人の下着をペットボトルに詰めて川…「高瀬川」…に流す、というだけのお話w
しかしこれ、めちゃくちゃエロいです。あらすじそのままで厄体のない、さらにモテキャラの主人公は自分モデルとおぼしくいけすかない小説だけど、描かれる男女関係の機微、描写の一つ一つがやたらリアルで、また文章はあの知的で風格のあるそのままだから、なんだか凄く興奮する純ポルノ文学でございました。
その他の収録作、「追憶」「氷塊」なんかは凄く実験的な小説で、そうした前衛性を読むべきなんだろうけど、俺はエロいとこばっかり読んでたw
評価はB。

高瀬川 (講談社文庫)

高瀬川 (講談社文庫)