中原中也『汚れつちまつた悲しみに……』集英社文庫

ネタバレ特になし。
『山羊の歌』『在りし日の歌』『未完詩篇』の合本。
俺いまいち詩集って楽しみ方が分からなかったりするのよね。詩人の心象風景にどれだけシンクロできるかとか、そういうことだと思うんだけど、その意味でなんとはなしに好きだったのは「夏」とか「冬の夜」とかかなあ。
中原中也」って名前にイメージとしてある、ベタな青さとかセンチメントはあまり感じられず、寂寥感やロマンティシズムの表現にしても独特の前衛性が感じられて、好感はありました。
あといろいろ引用として見た覚えのあるものが多くて。《忘れがたない、虹と花》はイースタンのツアータイトルだし、《あなたはそんなにパラソルを振る》ってアートスクールのリリックにあったような。まったく性質の異なるロック・アーティストの琴線に、おそらくは違った形で触れている模様。
「北の海」をエピグラフにしてたのは、綾辻だったっけな…。
評価はC。

汚れつちまつた悲しみに…… 中原中也詩集 (集英社文庫)

汚れつちまつた悲しみに…… 中原中也詩集 (集英社文庫)