映画は学生の時に観ました。
「アイデン&ティティ」と「マリッジ」の二作品。バンドブーム終焉期におけるバンドマンの青年の、自意識と愛の物語。
同時代を主題として多く用いるオーケンとは、また違った読み心地。基本的には「ベタ」です。青臭さも、センチメントも。でもそれがベタなのに厭らしいベトつきにはなっていないところが、この作家の力量と思います。カリカチュアと、パーソナルな自意識の出し引きの巧さ、特に「アイデン&ティティ」はボブ・ディランを媒介に、それが高い達成をみています。
特にカリカチュアの部分、「彼女」の説得力ある偶像性にその表現力が顕著ですね。映画の麻生久美子には「いねーだろ、こんな女神」と思ったけど、マンガ表現の方はなんか納得させられてしまいました。
まあミネタとか、他のキャストとのバランスもあるだろうけどな…。
- 作者: みうらじゅん
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1997/11/21
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