中森明夫『東京トンガリキッズ』角川文庫

ネタバレ一応注意。
1980年代の東京に生きるサブカル少年少女を描いた掌編集。
各編にバンドブーム期の邦楽を中心とするテーマソングが置かれ、それに見合った2、3ページの青春/サブカル群像が切り取られる、という感じ。
サブカル華やかなりし頃に、その牙城たる「宝島」に連載されてた、ということらしい。今、俺みたいな「彼ら」から一回り後の世代のサブカル少年だった人間が読むと、若干の痛々しさと共に、時代風俗的な興味しか喚起されないのはまあ、いたしかたないところかなあと思う。
強いて気に入ったものを挙げるとすれば、RCサクセションの名曲にのせ、ストレートな「青春の終わり」のセンチメントを切り取った「もう一度スローバラード」かな。若干泣いた。
評価はC。

東京トンガリキッズ (角川文庫)

東京トンガリキッズ (角川文庫)