芦原すなお『青春デンデケデケデケ』河出文庫

ネタバレ一応注意。
1960年代の四国を舞台に、ロック・スタンダードを散りばめた、高校生たちの青春バンド小説。
田舎の純朴な高校生たちがバンドやるってただそれだけの話なんだけど、なかなか見事に普遍的な楽しさを現出せしめていると思う。讃岐(?)弁のイキのいい会話や四国の風物の描写、善意と活気を基調とした人物造形、ほのかなセンチメント。心が穏やかに浮き立つような、優れた青春小説です。特に合田富士男君の活躍は出色。
合宿シーンのあたり、楽しいままに読んでたら、朝ひと駅乗り過ごしたわ。
評価はB。

青春デンデケデケデケ (河出文庫―BUNGEI Collection)

青春デンデケデケデケ (河出文庫―BUNGEI Collection)