『bedside yoshino #3』

ソロ3rd。
例によって歌詞を聴き写しながら聴いていました。
…案の定、泣きながら。これまでにも増してまっすぐで力強い言葉を、メロディの高揚にのせた、レベル・フォーク・ロック。
ソロも作を重ねてどんどん精度が上がっているけど、作中、最もシンプルな弾き語りに決意を漲らせた「ファイトバック現代」は、まさにその白眉かと思われます。

弱い者から順に 死んで行くのが当然なんだってよ

冗談じゃねえぞ馬鹿野郎 殺されてたまるか
言いなりになって 捨てられる為に
生きて来たんじゃねえはずさ
(「ファイトバック現代」、歌詞聴き取り)

とか写してると、Wordが勝手にスペルチェックして、「ねえ」のとことかに赤線引っ張ってくれるわけですよ。でもそんなんもなんか気持ちよくって、そのままにしてしまったりしました。《冗談じゃねえぞ馬鹿野郎/従ってたまるか》とか呟きながらw
しかし今回、ギターの表現が凄いです。前作「坂道を帰る女」のような暗鬱なフォークのストーリィも各所にあり、「見るまえに跳べ」(名曲)では民族的でノイジィで、とにかく重層的で奇怪なフォルムを描き出し、そしてもちろん、エレキギターバッキバキの「鳴き」もあり。
聴いていて、詞曲以上に喚起的なフレーズは枚挙に暇がありません。こんなに金属的で、張り詰めていて、轟とした弦の震動が、どうしてこうも微笑ましくも力強く、寄り添ってくれている心強さと共に響くのだろうと、それは不思議でもあり、しかし当然の確信でもあるように思われるのです。

殺到する静寂を押し戻し
エレキギターに命を宿す
弾けば悲鳴の音がする
震え引き攣る音がする
(「回転木馬」、歌詞聴き取り)

bedside yoshino#3 (ベッドサイドヨシノ#3)

bedside yoshino#3 (ベッドサイドヨシノ#3)