LITE 『Phantasia』

こちらもポストロック週間。
アルバムトータルで、あるいは音楽の志向性を含めて評価した場合、toe、te'と聴いてきた中で、このバンド、この作品が一番好きかも。
ひとつひとつのパート、それぞれの音像が非常に鮮烈に、粒立って聞こえてくる。クリアでボトムが太い。少なくともベースは一番聞こえるし、このメロディアスな低音の効きは問答無用でかっこいいです。toeやte'は、楽曲全体の世界観や、その中でのリリシズム・エモーション表現に各パートを織り上げていく感じだけど、このバンドはそれより、各パートのせめぎ合いとか、ぶつかり合った際の化学反応のようなものに志向性がある印象。だからこそなのか楽曲の肌触りも多彩です。
基本的に音塊をブン回すパワフルな表現だけど、時にギターのリフに心が洗われるような瞬間があって、特に「Infinite mirror」や「Fade」には鳥肌が立ちました。それぞれの楽曲に異なった見所があって悩むのですが、ベストは表題曲かな。技巧を駆使した転調の鬼のような曲ですが、不思議と統一感があって没入できる。
愛聴しそうです。

Phantasia

Phantasia