浅草キッド『お笑い男の星座 芸能私闘編』『お笑い男の星座2 私情最強編』文春文庫

ネタバレ特になし。
語り口の熱気とか、対象に対するリスペクトの角度とか、評価できるところ、面白いところはもちろんあるけど、いかんせん、「軍団」とかプロレス・格闘技とか梶原一騎とか、彼らの思い入れの対象であったり、芸人としての属性を規定する要素が、自分の嗜好から離れすぎていた。
だからそうしたものから自由な、人物評伝・列伝に徹したものの方が好きだった。久々に思いだした鈴木その子しかり、あとはなんと言っても「江頭グラン・ブルー」が最高作だろう。
そうした長編を揃えた『2』の方が高評価。作中の言葉だったか忘れたが≪人は真実のためにフィクションを生きなければならない≫という至言は、その中にこそ表現されていると思います。
評価はC/B。

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

お笑い 男の星座2 私情最強編 (文春文庫)

お笑い 男の星座2 私情最強編 (文春文庫)