新堂冬樹『無間地獄』幻冬舎文庫

ネタバレ一応注意。
なんつーか、闇金まわりでろくでなしどもがバタバタする話、つーのはイメージ通りだったんだけど、登場人物の造形があまりにも極端すぎて、なんかコメディめいて感じられてしまう。
主人公の桐生はじめ、彼らの人生はどれもこれもあまりに悲惨か、そうでなければゴミみたいに愚劣でくだらない。コミカルな地獄絵巻。
基調はノワールなんだけど、文体にも意識的に笑いを混ぜてきてるし、ノワールと言うよりはブラックユーモア、もっと言えば戸梶圭太ライクな「激安小説」が近いだろう。もちろん貶してるわけではない。それに意識的でなければ、ラストはこういうもっていきかたをしないだろうと思うだけ。
評価はC+。

無間地獄 上 幻冬舎文庫 し 13-1

無間地獄 上 幻冬舎文庫 し 13-1

無間地獄 下 幻冬舎文庫 し 13-2

無間地獄 下 幻冬舎文庫 し 13-2