奈須きのこ『空の境界』講談社文庫

ネタバレ注意。
ちょっとダークなアクション系ラノベ。それだけで、端的に言ってつまらない。その割に長いから始末に困った。形式としては連作中編なのだけど、最初の一編で俺はどうも楽しめそうにないと思ったから、以降は惰性。辛かった。
人物像やプロットの浅薄は予想していたことだとは言え、期待していなかったこともなかった言語センスがアレなのが痛かった。《「――駄犬」》(下巻429p)には苦笑を通り越して困惑した。こういう単語のチョイスってなんなんだろう。もう自意識過剰とかの段階じゃない気がする。
「かっこいい」とかいう単語しか呈示できず、最後にはムリヤリ新本格に接続しちゃった綾辻解説も居心地が悪そうだw。ファウストで何作かノベルゲームのシナリオライタが書いたものを読んだら見事に全部がクソだったけど、背表紙に言わせればこの「記念碑的作品」が打ち立てたらしい《"新伝綺"ムーブメント》って、ホントに存在してんの? 俺は一切認識してねーぞ。
評価はC。

空の境界(上) (講談社文庫)

空の境界(上) (講談社文庫)

空の境界(中) (講談社文庫)

空の境界(中) (講談社文庫)

空の境界(下) (講談社文庫)

空の境界(下) (講談社文庫)