じっくり、のつもりが止まらなくなって。
面白さの質は中盤以降変化してきていて、序盤はやはり曹操という人物の造型とそれゆえのドラマ、そして関羽と張角、曹操と橋玄の対話に代表される哲学的「問答」と、演出の凄みがそのメインだったが、この辺りになってくると歴史の大きなうねりの中で、そこから去っていく人たちと新たに登場する人たちの連作短編みたいな感じ。
前者では周瑜、荀紣、韓遂、あと龐統。後者は『龍狼伝』と違って好青年ぽい司馬懿や、何晏のモダンな造型もなかなかだが、なんつっても馬超。武将系でここまでアホほどかっこいいのは呂布以来です。
馬超に関しては317話が圧巻で、曹操軍に突っ込みながら《抗う我に敗北なし! ただ一心に 斬り 刺し 突き 裂く!》《奸な権力に抗し 砕き 抉り 拉ぎ 屠る!》《ひたすら 殺し 誅し 弑し 戮す!》とか言って暴れ回るのです。こういう「単語繰り返し系」ってなんだかラノベ的だけど、効果的な演出になってる例を初めて見ました。なるほど、こうやればいいのか。しかしネームはまだしも、この圧倒的な画力は再現不可能だべな。
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