ネタバレ特になし。
思い立って似たテーマで。ノンフィクションづいていたか、この時期。
親本は太田出版だったので、もっとサブカル寄りかと思っていたけど、ライタはもと新聞記者だけあって、割と本格的な取材がされた好ルポルタージュであったと思う。
特撮やアニメ、コミックがメインの題材だが、差別問題の根源へと深く沈みこんでいった『放送禁止歌』とは違い、当事者どうしの泥沼の諍いとか、「作品」を利用しようとする「運動」の存在など、「作品」を封印してしまうさまざまな力学、そのバラエティ豊かなありようが読みどころ。特に「黒人差別をなくす会」という組織の正体は凄まじい。唖然として、やがて苦笑がはりついてとれなくなる。コレのためだけにでも一読の価値があるだろう。
あと表現問題の報道の例として挙げられてるのがほとんど朝日新聞だったのが笑えたが、これもまたバイアスではあるな。
評価は共にB。
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