恩田陸『ロミオとロミオは永遠に』ハヤカワ文庫JA

ネタバレ一応注意。
結論から云うと、恩田はSFダメね。どうしたって安っぽくなっちゃうんだよなあ。あらすじだけ見たらすげー面白そうなんだけど、いざ読んでみたら、キャラクタ、世界観、プロット、すべてが薄っぺらい。やや蔑視して「ラノベ」と呼ぶに値する。
なんとはないイメージだけで、筆が滑るに任せてる感じ。作者もイメージの落ち着き所が定まらないまま、あれよあれよと水脹れさせてしまったというところではないか。それが落ち着くべきところに落ち着いた時の破壊力は、『麦の海に沈む果実』で証明されているところなんだけど。
作品の要素を抜き出して語るほどには評価しないが、『20世紀少年』にしろ『オトナ帝国の逆襲』にしろ、20世紀をサブカル化する試みが多くの才能によってなされているという現象はなかなか面白いものであるとは思った。コレはいい作品ではないが。
作品の評価はC−。

ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)