島田荘司『出雲伝説7/8の殺人』光文社文庫

ネタバレ注意。

中国地方のローカル線8路線の車両に、女性のバラバラ死体が遺棄される事件を描く、吉敷竹史シリーズの第二長編。

高いリーダビリティ、無理筋ではあれ「出雲伝説」と事件を接続させるプロットの力技、ラストで仄かにせつないロマンスの余韻…島荘の美点は安定して愉しめる*1作品。

しかしまあ、いくら考えてもコレでアリバイ工作するメリットが全く腑に落ちないし、結局弟共犯にしただけやん、という落胆は否めなかった。

評価はC。

*1:女性描写の酷さも安定しているが。