ネタバレ一応注意。
童顔で年齢不詳のフリー・アルバイタ、おなじみ猫丸先輩を探偵役とするシリーズ短編集。
安定の出来。シリーズ・キャラクタにも、洒脱でユーモアのある作家の筆にも好感がもてます。日常の謎ものとして、タイトルでエクスキュースされてるように「推測」が過ぎる印象はあるけど、解説で言われてるような志向と、そこからくる小説としての愉しさは狙い通りに表現されていると思います。
中では「たわしと真夏とスパイ」がよかった。商店街の夏祭りの喧騒の中に、無駄のない伏線を仕込んで、納得性の高いホワイダニットを現出させた、鮮やかな仕事でございました。
評価はC+。
- 作者:倉知 淳
- 発売日: 2018/01/22
- メディア: 文庫