若竹七海『猫島ハウスの騒動』光文社文庫

ネタバレ一応注意。
「30人の人間と100匹の猫が暮らす」、猫を観光の目玉にした島、「猫島」の人間模様と出来する殺人事件を描く、近海ってことで葉崎シリーズのコージィ・ミステリ。
コージィ・ミステリらしく、居心地のいいこまやかな世界観は作れてると思うけど、葉村晶シリーズ以外の若竹さんはどうしても「描き過ぎ」の印象があって、この小説に関してもかなり着膨れしてるなあという印象。
余計なものもいろいろと描き込んで、世界構築して、その中からメインの事件に関わるものを拾い上げてく手つきの妙と意外性に、コージィ・ミステリとしての読みどころを据えてるってのも理解はできるんだけど、いかんせん、やわらかい読み心地に時折シニカル、みたいのがのんべんだらりと続いて、疲れる。
評価はC+。

猫島ハウスの騒動 (光文社文庫)

猫島ハウスの騒動 (光文社文庫)