G.ガルシア=マルケス/鼓直・木村榮一(訳)『エレンディラ』ちくま文庫

ネタバレ注意。

短編集。

「大きな翼のある、ひどく年取った男」、「この世でいちばん美しい水死人」、「愛の彼方の変わることなき死」、「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」…、タイトルがどれも非常に雰囲気のあるもので期待したけど、なかなかハードル高かったな。文章、世界観、神話的挿話、いずれも高密度で矢継ぎ早、ついていくので精一杯。玩味するに至らなかった。

表題の「無垢な~」が、可憐な少女娼婦とその鬼祖母(女衒)を中心としたストーリィがシンプルで、中編ながら最もあっさりと楽しく読めたけど、本領は他の短編にある気がするな…。

評価はC+。

エレンディラ (ちくま文庫)

エレンディラ (ちくま文庫)