森見登美彦『新釈 走れメロス 他四篇』祥伝社文庫

ネタバレ一応注意。
表題作の他、「山月記」「藪の中」「桜の森の満開の下」「百物語」という日本文学史上の傑作群を、いつもの森見ワールド…京都のダメ学生たちの群像劇…に翻案した作品集。
「藪の中」とか「桜の森の満開の下」とか、ちょっとせつなかったりビターなテイストの作品もあるけど、やっぱバタバタとしてユーモラスなスラップスティックを、クレバーで洒脱な文章で読む、という王道が面白いですね、モリミー久しぶりだし。
その意味ではやはり「走れメロス」がベストかと。原作をちゃんと読んでないとパロディとしての妙味は味わえないわけで、コレと「山月記」しか記憶にない純文学不案内者としての当然の帰結かもしれませんが…。
処分対象銘柄が減ってきて、やっと古川とかモリミーとか読めるようになって嬉しい今日この頃。
評価はC+。

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)