ネタバレ注意。
ある高校を舞台に、女生徒の事故死と女性教師の絞死が連続する事件を描く青春ミステリ。
青春ミステリなんだけど、ひどく陰鬱で刺々しいそれ。何を根拠に、つかむしろ根拠なんて何もないくせに、周囲に対してそんなに敵意を向けられるものなのか、作中のガキどもが愚かしくて痛々しくて不快だった。担任が持ち帰り残業してるのをさして《「そういう人に教育されるのって、(中略)人間性が歪んじゃうんじゃないかと思う」》(219p)だとかのたまいやがったのには、ページに唾吐いたろうかと思ったわ。
…別に俺が年取ったからってわけじゃなくて、高校生の時に読んでも印象は変わらなかったと思う。彼らの痛々しい未成熟は、客体化されてるわけでも物語の要請であるわけでもなくて、あとがきにも顔を出しているような作者の痛々しさが顕れたもののようだから…むしろ高校のとき読んでたらもっと口を極めて罵ってたんじゃないかと思う。こんななんの面白味もねー小説でこっち側に立ったつもりかよ、つって。
美点は野間美由紀の解説がかわいらしかったってぐらい。
評価はC−。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/08/08
- メディア: 文庫
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