寺山修司『寺山修司詩集』ハルキ文庫

ネタバレ特になし。
詩、俳句、短歌のコレクション。
なんか勝手なイメージで、もっとケレンがあってゴシックな作風だと思ってたんだけど、意外と正統派の瑞々しい詩作でちょっとびっくりした。澁澤龍彦あたりとイメージ混同してるのか…?

人生はしばしば
書物の外ですばらしいひびきを
たてて
くずれるだろう
だがもう一度
やり直すために
書物のなかの家路を帰る
(「あなたに」)

「あなたに」という詩に励まされる本読みは多いことでしょう…僕もそうです。
あとはベタだけど、

海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり

は名歌やなあと思います。浮かぶ鮮烈な画と、その微笑ましさ。
そして解説吉増剛造の、我が道驀進ぶりにもリスペクト(引き笑い)。
評価はC+。

寺山修司詩集 (ハルキ文庫)

寺山修司詩集 (ハルキ文庫)