太田忠司『維納音匣の謎』祥伝社文庫

ネタバレ注意。
ウィーン製オルゴールをめぐる殺人事件を描く、霞田志郎シリーズの長編。
「維納音匣」なんてせっかくのシックな道具立ての割に、真相は安っぽすぎだし、シリーズキャラのやり取りも軽佻だし、何より舞台が名古屋*1だし…と、トーンの不統一が居心地の悪い作品。
純粋に本格としての結構についても、爆弾なんて唐突な無理筋持ち出してきたり、鼻白む部分が多くて評価できない。作者の人柄が出た、至って真面目な作品だとは思うが…。
評価はC。

*1:個人的には大いに親しみを感じるところではあるが…。