『エレファント・マン』

DVD。
先天性奇形の青年と、彼を見世物としての扱いから救い出す医師の交流を描いたヒューマン・ドラマ。
デヴィッド・リンチのイメージと異なり、実話をベースにして至ってシンプルな、それゆえに力のあるストーリィです。モノクロでヴィクトリア朝の雰囲気を出しつつ、リンチらしい耽美性も散見されて、しかし基本的にはテンポのいい、演出面での印象もよかったです。ラストシーンだけはもうちょっとやりようがあったんじゃないか*1と思ったけど…。
アンソニー・ホプキンスはトガったところのない役だけど、風格と共に若干の毒もあって素敵でした。

エレファント・マン [DVD]

エレファント・マン [DVD]

*1:最後の尊厳を死守した、という見方なのか、ああいう形でしか尊厳があり得ないという哀しみなのか、あるいはその深い哀しみは最後のところでは分かち合えない、ということなのか、いずれにせよラストカットは消化不良。