岩井志麻子『魔羅節』新潮文庫

ネタバレ注意。
とエログロ注意。
土着ホラー連作。いかにも岩井小説の、淫靡で卑猥で、滑稽でいてもの哀しい、業と欲に塗れた、土と体液の臭う作品世界。
どの作品も安定して面白いけど、特に「きちがい日和」は最も狂騒的でダイナミック、「おめこ電球」は幻想的かつサプライジングで一番の完成度、この二編がお気に入りだったかな。
しかし「おめこ電球」って凄いタイトルで、てっきり挿入するのかと思ったけど、実は娼婦が褥を据える座敷に灯る裸電球、それが映し出す幻想譚、というなかなかに淫靡な浪漫を湛えたお話で。「金玉娘」ってのも酷いけど、ホント最高に最低だわこの人。
評価はB。

魔羅節 (新潮文庫)

魔羅節 (新潮文庫)