村崎友『修学旅行は終わらない』MF文庫ダ・ヴィンチ

ネタバレ注意。
修学旅行の狂騒の一夜を、関わる生徒・教師それぞれの視点から描く。
…んーと、いまひとつ狙いの分からない…と言うか狙いは分かるけどそれが全然機能していないように見える小説だった。多視点の面白さを出そうとしてるんだけど全然効いてない。むしろクドさしか出てなかったり。廊下で匍匐前進してる柔道部員とか、衆人環視の密室/アリバイの要素かと思いきや単に障害物でしかなかったり。
まあそのあたりは、多分一番やりたかったことであろう、修学旅行という非日常の中で、幾人かの男女高校生とその恋愛模様を描き分け、瑞々しい青春小説にしようという目論見が、俺みたいなスレた読者にはまったく機能しなかったことに起因するような気がする。あまりにピュアな色恋沙汰、こんな高校生おらんやろ、途中まで中学生だと思ってたわ…と、男子校で恋愛沙汰とは無縁だった三十男が言っております。
評価はC。

修学旅行は終わらない (MF文庫 ダ・ヴィンチ む)

修学旅行は終わらない (MF文庫 ダ・ヴィンチ む)